ピスコールは、夜尿症治療に適した新しいおねしょアラームです。

専門医からのメッセージ
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岡山大学病院上杉達也先生

上杉達也先生

おとなとこどもの仙川泌尿器科 泌尿器科医師

夜尿症の国内の患者は6歳―15歳で50万人とも推計されています。夜間多尿、就寝中の排尿筋過活動、睡眠覚醒障害が夜尿症の3大原因です。これらはいずれも脳幹部レベルの問題と考えられます。特に睡眠覚醒中枢にある青斑核という部分が抗利尿ホルモン(夜間尿量を少なくして睡眠を優先させるはたらきがある)を分泌する視床下部や排尿中枢と密接に連携しており、このあたりが夜尿症患者さんは十分に機能していないと考えられています。

子供の失禁に関して話し合われる国際小児禁制学会(International Children’s Continence Society)において、アラーム療法は、抗利尿ホルモン剤とならんで治療法の第一選択のひとつに推奨されています。

下着にセンサーを付け、ブザーでおねしょを知らせるアラーム療法は、夜尿をしたとたん、睡眠から目覚めさせるという行動療法です。こうすることで、尿意覚醒をするようになると考えられがちですが、実際は多くの症例において睡眠中の尿保持力が増大し、尿意覚醒をせずに朝までもつようになります。さらに、夜間に産生される尿が濃縮され、夜間尿量が減少することが分かっています。有効率は70%前後ですが、一旦治ると、薬物療法に比べて圧倒的に再発率が低いという特長があります。

しかし、従来のアラーム装置は下着からずれてしまったりコードが煩わしいといった不快感が強く、途中で治療を中断するケースが少なくありません。私達の調査では従来のアラーム療法を受けたお子さんの3割近くが、アラームの不快感や使いにくさで治療を中断してしまっていることがわかりました。少しでも自然な眠りに近づけ、寝具を汚すことがない装置ができないか。アワジテック社の協力のもと、試行錯誤してできたのがピスコールです。

アラーム治療全般に関していえることですが、最初はアラームのみでは起きることができないことが多く、ご家族の協力が必要不可欠です。ただお子さんによっては、全く起きることができないこともあり、初めの2-3週間で全く起きることができない場合、ご家族の負担やご本人の自信喪失を避けるためにも、いったん中断して半年後に再チャレンジすることも検討するべきです。

パッドタイプのピスコールは、寝具の汚れも気にせず夜尿症治療に取り組めるため、従来のタイプより使いやすく、夜尿症から脱出する手段の一つとして有効であると考えています。

新しい夜尿アラームトレーニングピスコール