夜尿症について

おねしょ(夜尿症)を知ろう

夜尿症のある子どもたちの数は決して少なくありません

「おねしょ」と「夜尿症」は、どちらも寝ている間におしっこを してしまうことは同じなのですが、少し違いがあります。 その違いは「年齢」です。幼児期の夜尿をおねしょと言い、6~7歳(小学校入学後)以降の夜尿を夜尿症と言っています。夜尿症の有病率※は、以下のように考えられます。 5歳:15% 6歳:13% 7歳:10% 8歳:7% 10歳:5% 12歳〜14歳:2〜3% 15歳以上:1〜2% ※夜尿症診療の約3/4を占めるとされる単一症候性夜尿症に限定

夜尿症の原因

夜尿症の3大原因

  • 1. 夜間多尿
  • 2.就寝中の排尿筋過活動
  • 3.睡眠覚醒障害

これらのいずれか、もしくは複数の原因が重なり合うことで、夜尿症を引き起こすと考えられています。睡眠中のおしっこを十分膀胱に溜めることができるようになる、または尿意でトイレに起きることができるようになれば、改善につながります。

夜尿症は治療できます

夜尿症の治療方法にはさまざまありますが、治療介入する事で自然経過に比べて治癒率を2〜3倍高める事ができます。夜尿症治療の現行ガイドラインでは、診療アルゴリズム内に投薬(デスモプレシン)とアラーム治療はともに推奨度とエビデンスレベルには差はなくとも(ともに1A)と記載されています。「ピスコール」はアラーム治療の中でも特に治療効果が高いアラーム機器として多くの医師から支持されております。

アラームトレーニングとは

夜尿をアラームでお知らせ

アラームトレーニング」とは、夜尿をすると、おしっこの水分をセンサーが感知し、アラームなどでお知らせをする装置を使用したトレーニングです。夜尿をすると直後にセンサーが反応し、アラーム音などでお 知らせします。次第に意識しだし睡眠中のおしっこを保つ力がつき、続けて使用 すると、朝まで夜尿をせずに眠れるようになります。 「アラームトレーニング」は決して起こすことが目的ではありません。 アラームを鳴らさずに寝ようという意識が働くことによって、夜尿をしなくなるようにするトレーニングなのです。

まずはトレーニングを3ヶ月

アラームのトレーニングは、一般的に3ヶ月の継続が推奨されています。ただし、効果の現れるタイミングは個人差が大きく、早ければ1週間以内、遅い方で3ヶ月以上かかることもあります。夜尿の回数や量の変化など改善に気付くケースが多いと感じています。また、1度は中断したものの半年以上経過してからトレーニングを再開し、比較的短期間に効果を得られたケースもあります。

専門医からのメッセージ

おとなとこどもの仙川泌尿器科

泌尿器科医師

上杉達也先生

上杉達也先生

夜尿症の国内の患者は6歳―15歳で50万人とも推計されています。夜間多尿、就寝中の排尿 筋過活動、睡眠覚醒障害が夜尿症の3大原因です。これらはいずれも脳幹部レベルの問題 と考えられます。特に睡眠覚醒中枢にある青斑核という部分が抗利尿ホルモン(夜間尿量 を少なくして睡眠を優先させるはたらきがある)を分泌する視床下部や排尿中枢と密接に 連携しており、このあたりが夜尿症患者さんは十分に機能していないと考えられています 。 子供の失禁に関して話し合われる国際小児禁制学会(International Children’s Continence Society)において、アラーム療法は、抗利尿ホルモン剤とならんで治療法の 第一選択のひとつに推奨されています。 下着にセンサーを付け、ブザーでおねしょを知ら せるアラーム療法は、夜尿をしたとたん、睡眠から目覚めさせるという行動療法です。こ うすることで、尿意覚醒をするようになると考えられがちですが、実際は多くの症例にお いて睡眠中の尿保持力が増大し、尿意覚醒をせずに朝までもつようになります。さらに、 夜間に産生される尿が濃縮され、夜間尿量が減少することが分かっています。有効率は 70%前後ですが、一旦治ると、薬物療法に比べて圧倒的に再発率が低いという特長があり ます。 しかし、従来のアラーム装置は下着からずれてしまったりコードが煩わしいといっ た不快感が強く、途中で治療を中断するケースが少なくありません。私達の調査では従来 のアラーム療法を受けたお子さんの3割近くが、アラームの不快感や使いにくさで治療を 中断してしまっていることがわかりました。少しでも自然な眠りに近づけ、寝具を汚すこ とがない装置ができないか。岡山大学でアワジテック社の協力のもと、試行錯誤してでき たのがピスコールです。 アラーム治療全般に関していえることですが、最初はアラームの みでお子さんは起きることができないことが多く、ご家族の協力が必要不可欠です。ピス コ―ル開始後、1か月程度であっという間に夜尿が止まってしまうお子さんもいらっしゃい ます。一方で、全く起きることもできず、治療に反応しないこともあります。初めの1-2か 月で全くうまくいかない場合、ご家族の負担やご本人の自信喪失を避けるためにも、いっ たんアラーム治療中断もご検討ください。お子さんの成長を見守り、その後再チャレンジ して改善する場合があります。 パッドタイプのピスコールは、寝具の汚れも気にせず夜尿症治療に取り組めるため、従来 のタイプより使いやすく、夜尿症から解放される最も有効な手段の一つと考えています。

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